【畳の張り替え】畳の黒い線の原因と消し方について

和室 畳に黒い線のある画像

数日前のブログ内(寄居町 4部屋張替え ビフォー/アフター 畳表は産地から折り畳んで梱包) で書きました黒っぽいスジの事で、お問い合わせがありましたので補足させていただきます。

 

お問い合わせのお客様は、少し前に他店で表替えをされ、その時に「これは、しょうがないんですよ」と言われ、気になっていたそうです。

 

黒い線の正体

青く新しい畳表に大きな黒い線があり、驚いてしまった方も多いのではないでしょうか。

当店のお客様からもご指摘をいただくことがあります。

しかし、全く問題ありません (^^)/

 

傷・汚れ・破れではありませんのでご安心ください。

畳の黒い線は、汚れや傷、破れなどではありません。

黒い線の正体は、畳表を折りたたんでいた跡なのです。

畳の黒い線の画像
畳の黒い線のアップ画像

畳表を折りたたむことにより、その部分の草同士がつぶれて細くなっていることで線のように見えています。

 

色が付いていたり、変色しているわけではありません。

つぶれた草は日数の経過により少しづつ元に戻ります。

 

イ草を折りたたんで梱包している画像

畳表は織物ですので、製造時や出荷時に折りたたみます。柔らかい植物という性質上、その際に押されて跡になってしまうことは避けられません。

 

また、品質が悪いから折りスジが付きやすいというものでもなく、高級な畳表でもつきます。

 

畳表を張る際に、出来るだけ折りすじの部分を避けるように心がけていますが、全て省くことはできません。

 

対処法・処置について

折目スジ A B

黒い線のある畳表
黒い折り線のある畳表

折目消しローラー

ローラーで黒い線を撫でている写真
上から撫でます

折目消し後

黒い線が目立たなくなった畳表
線が目立たなくなりました

当店では、施工時にできるだけ目立たないように処置をしていますが、完全に消すことはできません。

 

過度に処置を行うと畳表の変色・部分的に光沢が出てしまう、などの不具合が生じてしまうためです。

 

対処① そのままで自然に消えます。

そのまま使用いただくことで徐々に線は消えます。

 

い草は、空気中の湿気を吸収・排出しており、水分を吸うと膨らむ性質があります。
そのため、日数の経過とともにつぶれていた草がすこしづづ膨らみますので線が薄くなり消えていきます。

 

対処② 気になる場合は、霧吹きを使用する

霧吹きボトルの画像

どうしても気になる場合は、霧吹きに水を入れて黒い線の部分に吹きます。
この時に水をかけすぎないように注意してください。
水をかけ過ぎると変色やシミ、カビの原因になります。

離したところ(立って手を降ろしたくらい、膝のあたりの高さ)から2〜3プッシュ程度にしてください。
霧を吹いた直後は濡れていないように見えますが、表面についた水滴を徐々に吸い込みますので少量で大丈夫です。

霧を吹いてもすぐに消える訳ではありません。日を置いて少しずつ行いましょう。

 

また、霧吹きを使用する前にドライバーなど柄の部分で上から撫でると少しスジが薄くなりますが、力加減が難しいのであまりお勧めしません


力を入れて何度も擦ると、その部分が変色したり、傷やテカリが出てしまうことがあるので、い草の向きに沿って優しく撫でる程度にしましょう。

 

(い草の向きに沿って優しく撫でます。)

 

おわりに

当店では施行時に出来るだけ線が薄くなるように対処していますが、畳屋さんによっては当然のこととしてほとんど処置を行わない方もいます。

そのため、くっきりと線が目立つ場合もあります。

しかし不良品ではありませんので安心してお使いください。


今回ご紹介した処置方法については少しずつ行い、変色や痛みが出ないよう注意しましょう。

記事をご覧いただきありがとうございました (^^)

当店のブログでは、他にも畳替えに関する疑問お悩みについての記事を作成していきますので、あわせてご覧ください。

 

記事カテゴリ  畳・ふすま・障子のあれこれ

 


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